【ヨーロッパ女一人旅】vol.11 オーストリア・ウィーン|ベルヴェデーレ宮殿でクリムトと世紀末芸術を堪能

クリムト 接吻 旅行

長年憧れていたヨーロッパ旅行。仕事を辞め、ずっとやりたかったとをやる時間充電期間中、一ヶ月間ヨーロッパ一人旅に挑戦。ハンガリーブダペストからスタートし、2カ国目はオーストリアのウィーンへ。

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ウィーンを訪れたとき、街そのものがまるで美術館のようだと感じました。石畳の道を歩けば、歴史を刻んだ建物が優雅に並び、広場には威風堂々とした騎馬像が立っています。ホーフブルク宮殿やオペラ座の重厚な外観に見上げるたび、この街がいかに文化と芸術の中心であったかを実感します。そして、そんなウィーンで欠かせない体験こそが、美術館めぐりでした。

オーストリアウィーンで絶対見たかった作品。それは、レオポルド美術館でのエゴンシーレと、ベルヴェデーレ宮殿のクリフト作品。まさにウィーンの世紀末芸術を大丈する2人をこの目で見たかったのです。

この記事では、ベルヴェデーレ宮殿見学の注意事項、クリムト作品を中心に展示されていた作品を紹介します。

見学の注意事項

チケットはオンライン事前購入がおすすめ

  • オンラインで購入すると現地窓口より最大15%安いことがあります
  • また、混雑時でも行列を避けられ、日時指定スロットを確保できるのでスムーズです

チケットは2種類

まずチケットは上宮(Upper Belvedere)下宮(Lower Belvedere)の2種類あり、グスタフ・クリムトの「接吻(The Kiss)」が展示してあるのが、上宮。下宮(Lower Belvedere)はかつての居住空間に近く、豪華なバロック内装が楽しめるのが魅力。常設展は比較的少なめで、企画展(特別展)が主。

なので、相当の美術好きでない限り、上宮だけで十分満足できます。私は最初安かったので間違えて下宮を買ってしまいました…..

日時指定(タイムスロット)あり

  • 上宮は日時指定入場制。時間に余裕を持って予約し、入場を待たずに済むようにしましょう。早く来ても時間ぴったりにならないと入れないので注意。

荷物は事前に預けておく

  • 手荷物の持ち込みは禁止されることが多いので、無料クロークや有料ロッカーの利用が必須。スーツケース、大きなバックパックを持っていると、美術館に入ることすらできないので注意。(これもやらかしました笑)

館内

まず入って驚くのはとにかく豪華な館内。天井に描かれた壮麗なフレスコ画で館内もとにかく豪華絢爛。展示作品だけでなく、美術館そのものが芸術作品。天井を見上げて歩くだけでも当時の時代にタイムリップしたかのような没入感を味わえる。

見どころ

表現主義と心理学の時代

1910年代になると、芸術はさらに人間の内面を探る方向へと進みました。シーレのほか、アントン・ハナックやフランツ・アロイス・ユングニックルといった作家が、存在の苦しみや人間の深層心理を探求した彫刻や絵画を制作しています。精神分析が生まれたウィーンだからこそ、こうした表現が自然に育まれたのだと感じました。

バロックとネオクラシシズム ― 信仰と科学のはざまで

館内を進むと、バロック時代の宗教画や祭壇装飾に出会います。カトリック教会の権威のために描かれた華麗な絵画や彫刻は、当時の人々の精神世界を映す壮大な舞台装置のよう。
やがて18世紀末には啓蒙思想が広がり、教会の影響力が弱まり、科学や技術が重視されるようになります。装飾的な静物画が植物学的な研究の延長として描かれるなど、時代の移り変わりをひしひしと感じました。

世紀末ウィーンとクリムト

ウィーンの美術館に足を踏み入れると、19世紀末の都市の息吹がそのまま残されているようでした。産業化と鉄道の発展で人々が集まり、文化と芸術が一気に花開いた時代。その中心にいたのがグスタフ・クリムトでした。展示室の解説パネルを読みながら歩いていると、まるで当時の華やぎとざわめきが耳元に響いてくるようです。

分離派の誕生と新しい芸術の息吹

展示の初めに語られていたのは、1897年にクリムトが若手芸術家たちと共に創設した「ウィーン分離派」。保守的な美術界に挑み、国際的な前衛芸術を紹介しようとしたその姿勢には、今見ても胸が高鳴ります。ロダンやゴッホの作品と並んで、彼らの新しい試みが紹介されていたことを知り、「この街が本当にヨーロッパ芸術の交差点だったのだ」と改めて感じました。

《接吻》との対面

そして、やはり最大の感動は《接吻》でした。展示室に入った瞬間、金色の輝きに包まれたカップルの姿が目に飛び込んできます。近づくと金箔や銀、プラチナが光を受けて微妙にきらめき、絵の前に立つ自分自身がその黄金の世界に取り込まれていくようでした。

二人の衣の模様が男女で違うことに気づいた時、改めてその繊細な構成に圧倒されました。1908年のウィーンで初めて展示されたこの作品が、いま世界中から人を惹きつけ続けている理由を肌で理解できた瞬間でした。

女性たちを描く画家

クリムトは「女性の画家」とも呼ばれるそうです。裕福な市民女性の肖像画はどれも威厳と気品に満ちていて、その表情の奥に隠された強さを感じました。一方で寓話的な作品では、官能的な女性の姿を大胆に描き出し、見る者の視線を釘付けにします。ちょうどその頃、女性たちが社会での地位向上や参政権を求め始めた時代。クリムトの絵に現れる女性像は、単なる美の対象ではなく、未来を切り拓こうとするエネルギーの象徴のようにも思えました。

風景画の静けさ

意外だったのは、クリムトが風景画でも革新者だったことです。ザルツカンマーグートの湖畔で描いた作品は、地平線や空を省き、切り取られた風景をほぼ正方形の画面に収めています。その構図は、まるで写真のクロースアップのようで、彼が時には望遠鏡を使って風景を捉えていたことを知って驚きました。色彩の点描的なタッチは装飾的でありながらも、不思議な静けさをまとっていて、人物画とはまた違った魅力を感じます。


日本人画家・太田喜二郎との出会い

展示の最後には、1913年にクリムトを訪ねた日本人画家・太田喜二郎のことも紹介されていました。言葉は通じなくても、芸術を通じて互いに理解し合った二人の姿を想像すると、心が温かくなります。遠く離れた日本からウィーンにやってきた若い画家が、黄金の光に包まれたクリムトのアトリエを訪れた瞬間を思うと、芸術の力がいかに国境を超えるものかを実感しました。

印象派の作品

クリムト自身も風景を描きましたが、それ以上に印象派の影響を受けた画家たちの自然表現が目を引きました。光の移ろいをとらえた作品も展示されており、黄金や装飾から少し離れて、柔らかな筆致に心が和みます。

まとめ

展示を巡り終えて外に出たとき、ウィーンの街並みさえも金色の輝きを帯びて見えました。クリムトは女性の優雅さ、愛の普遍性、そして風景の装飾的な美しさを描きながら、時代の変化や人々の新しい意識を映し出しました。その作品の前に立つと、自分もまた世紀末のウィーンに生きる人々の一人になったような気持ちになりました。

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